2012年03月14日
教材(英語)について
教材は、教育活動の最重要の要素の一つだ。
手作り教材が良いと認識されている理由は何か?
その教材が目の前にいる学習者の実情に即して作成されるからである。
逆にいえば、すべての生徒に適した教材などはありえない。
一人の生徒に個別指導ができることの利点のひとつは、
その子に適した教材を選択したり、手作りできることである。
2012年02月24日
その3・・・テスト問題の落とし穴
今回は、学校における英語テストについて考えてみたい。 定期テストで英語担当教師が英語の問題を作り、先生が採点をする。ごく当たり前に思われるが、ここにも落とし穴がある。
<例> 次の英文の( )の語を正しく書き変えなさい。
① Tom ( study ) English every day.
正解は、( studies )であるが、もし( studys )と書いて生徒がいたら 教師はどうしますか。
おそらく私の経験ではほとんどの教師は、不正解として処理するであろう。
これは確かに、正答は一つであるが、( studys ) の答えに半分の点数を与えることは間違いであろうか?
studys も、studies も、音に出してみた場合には、まったく同じである。
この生徒は三単現のSを理解している。 ただ、study のような語は、y を i に変えてes を付ける、
ということをまだマスターしていなかったにすぎない。
このようなことが起こる原因は、その1でも触れたが、
英語教育が reading や文法問題に偏りすぎてきたことにある。
もし、speaking, listening にも等しく力点が置かれていたら、
studies とstudys は一方が正答で、もう一方はまったくの不正解だという結論にはならないと思う。
もうひとつは、教師がテスト問題を作るが、その問題そのものの質が問われなければならない。
一人の新米教師が作った未熟なテスト問題も、英語教育に精通した優秀な先生が作成した問題も
生徒にとっては同じである。
良いテスト問題とはどういうものなのか、校内で検討してほしいし、
採点に関しても、studys のような答えの扱いをどうしたらよいか、みなで検討してもらいたいのだ。
そうした地道な教師の努力が、「英語嫌い」を一人でもなくすことにつながっていくと信じている。
2012年02月20日
英語教育について その2
< 英語教育について > その2
今回は高校や大学入試に出される英語問題が、中学・高校の英語教育をゆがめていることを
指摘したい。
つまり、入試で英語特有なlistening, speaking、の力を測定する適切な方法がなかったために、
長い間、どうしても文法問題や長文読解などの問題に偏ってきたことは否めない。
その結果、中学、高校では、それに対応できる英語授業に偏ってしまった。授業では、文法や
読解に力点が置かれ、listening,speakingは二の次にされてきた。
それ結果、6年以上も英語を学習してきても、簡単な英語も聞き取れなかったり
話すことができない日本人が大勢生み出されてしまった。
解決方法などを述べるだけの力を私は持ち合わせていないが、
英語教育を大きく改善するには、英語を入試からはずし、資格試験とするような
思い切った手段もとる必要があるかもしれない。
2012年02月19日
「英語教育について」 その1
「日本の英語教育の課題」その1
英語教育の改善が叫ばれてから久しい。
私が40代のころ、今から二十数年も前から、日本の英語教育の問題点が指摘されてきた。
その第一が、中学3年、高校3年、合計6年、大学まで入れると8年間も学習していながら、
簡単な英語も話せない、聞き取れない等のspeaking, listeningの面で特に問題があると
指摘されてきた。
これを解決するためには、最初に思いつくのが英語教師の英語力向上、
・・・だと思われるが、これは100年河清を待つに等しい。
私は、まず英語教育6年、8年というが、その中身が問題だと思う。
中学を例に取ると、週にたった3時間(1時間は50分授業)しか授業がない。
その時間だけで、speaking, listening, reading, writing の4つの領域を
バランス良く習得することなんて不可能なのは自明の理だ。
従って、まず「授業」の時間数を増やすこと。その上で、授業の中味を
listening, speakingにもっと時間をかける授業にすること。
教科書は近年だいぶ工夫されてきているが、授業時数が少なすぎるために
その改善点が授業のなかで生かされていないのが現状だ。
それに輪をかけて日本の英語教育をゆがめてきたのが、これまでの高校入試、大学入試問題だ。
これについては次回で。